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為替手形は、振出人が名宛人に対し、一定期日（満期日）に手形に記載された金額を指図人に支払うことを委託した証書です。
振出人は、約束手形では手形債務者となりますが、為替手形の場合は手形債務者でも手形債権者でもありません。
名宛人は手形代金の支払いを委託されているので、「手形債務者」となります。約束手形では名宛人は手形債権者ですが、為替手形では手形債務者になります。
指図人は名宛人から手形代金の支払いを受けるので「手形債権者」となります。
「為替手形」は、振出人と受取人のほかに、支払人の３人になります。わかりやすくするために振出人をＡさん。受取人をＢさん。
支払人をＣさんとします。振出人のＡさんが支払人のＣさんに「一定の期日に、一定金額を、受取人のＢさんに支払ってください」と依頼する手形です。
＊振出人・・・・・・・・・・・・・・・手形の作成者をいいます。為替手形の振出人の場合は、手形代金の債権
や債務は関係ありません。
＊名宛人（引受人）・・・・・・・手形代金の支払いを依頼された人のことです。依頼された人は引き受け欄
に記名・捺印をして手形代金の≪支払人≫になります。
＊指図人（受取人）・・・・・・・手形代金を受け取る人のことです。≪受取人≫になります。
たとえば、Ｄ商店はＦ商店に売掛金があり、Ｎ商店に買掛金がある場合、Ｄ商店からＮ商店への支払いをＦ商店に依頼するような場合に為替手形を使います。
実例を挙げるとＤ商店はＦ商店に対し売掛金１万円、Ｎ商店に対し買掛金１万円がある場合、Ｄ商店はＦ商店を名宛人、Ｎ商店を指図人とする為替手形を振り出し、Ｆ商店の同意 （引き受け） を得て、Ｎ商店に渡したとします。仕訳をすると、以下のようになります。
D商店 （振出人）
（借 方） （貸 方）
買掛金 １0,000 売掛金 １0,000
＊Ｆ商店に対する売掛金とＮ商店に対する買掛金が消滅する。
Ｆ商店 （名宛人、支払人）
（借 方） （貸 方）
買掛金 １0,000 支払手形 １0,000
＊Ｄ商店に対する買掛金が消滅し、Ｎ商店に対する手形債務が発生する。
Ｎ商店 （指図人、受取人）
（借 方） （貸 方）
受取手形 １0,000 売掛金 １0,000
＊Ｄ商店に対する売掛金が消滅し、Ｆ商店に対する手形債権が発生する。
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