売上原価

簿記知識集は、日商の簿記検定での３級、２級をとるための基礎知識を調べました。また大原などの簿記試験の一助になる情報も記載しております。簿記の通信講座や学校など簿記資格の取得に興味のお持ちの方にお役に立てていただければ幸いです。

　商店や会社が在庫として持っている商品は、会社にとっては財産になります。たとえば、商品800円を現金で買ったときは、次のような仕訳をします。

（借　方）　商品　800　（資産）　　｜　（貸　方）　　現金　800
　　　　　　
次に、この商品800円を現金1,000円で販売したときは、次のように仕訳をするのが本来の考え方です。
（借　方）　　現金　1,000　　　　｜　　（貸　方）　　商品　800　　（資産）利益　200

しかし、たとえばコンビニエンスストアなどでは、商品を販売するごとにその商品の仕入値段を調べて、上記のような仕訳をすることは実務的に不可能です。

そこで、便宜的に売り上げたものはすべて「売上」（収益）とし、仕入れたものはすべて「仕入」（費用）として処理します。ただし、このような処理をすると、当期に「売上」として計上したものに対して、「売上原価」がいくらなのかわからないので、売上原価は次のように計算します。

期首在庫＋当期仕入－期末在庫＝売上原価

つまり、最初に在庫としてあったものと当期に仕入れたものの合計額を計算し、そこから期末に在庫として残っていたものを差し引いた金額が、「売上」に対する売上原価であると考えます。

　使用する勘定科目は「仕入」と「繰越商品」です。「繰越商品」は「資産」に属する勘定科目で、在庫の金額を表わしています。「仕入」勘定は当期に仕入れた商品を記帳していますので、「仕入」勘定の借方残高は当期の仕入の総額を表わします。

【仕訳例】
① 決算日になり、売上原価を計算するために期首在庫分をいったん仕入勘定の借方に振り替える。
（借　方）　仕入　＊＊＊　　　｜　（貸　方）　　繰越商品　＊＊＊　　（資産）

② 期末の在庫を調べ、在庫分を仕入勘定から差し引き、これを繰越商品とする。
（借　方）繰越商品　＊＊＊　　｜　　（貸　方）　　仕入　＊＊＊
このような仕訳をすることによって、仕入勘定は「売上原価」を示す勘定に変わります。

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